涙とキスと隣の泣き虫
「せ、先輩!」
な、なんで、こんな所に?
やる気が全く無い自分のボサボサの髪の毛に慌てて右手を当てて、突然の先輩との遭遇に戸惑いを隠せない。
「久し振り。元気だった?」
「は、はい!先輩は?」
「毎日、図書館通いだよ」
なのに先輩は以前と変わらない爽やかな笑顔を見せるから、
「べ、勉強頑張ってるんですね」
私の頬は一気に熱を持って、まるで勘違いしてしまいそうになる。
「あ、あの。なんで」
「もう一度、話をしたいと思って」
「え」
「余裕ぶって理解あるふりしちゃったけど」
「……」
「やっぱり、納得いかないところあってさ」
なんて、先輩は眉を下げて笑って見せた。