涙とキスと隣の泣き虫
どうしよう、先輩に寄りを戻したいとか言われたら。
「ほ、本当ですか?」
「うん」
「あの、私も。もう少し話たいなって」
「じゃぁ、どっか入ってちゃんと話しようか」
「は、はい!」
そっか、そっか。なーんだ。
「何処行きたい?」
「どこでも大丈夫です」
何でもないふりをして、相手の出方を伺って。
「じゃぁ、とりあえず駅の方まで歩こうか」
「はい!」
先輩も私と同じだったのかもしれないなんて。目の前の事しか見えてなかった。
この時、私は足が地に付かない位に浮かれていたに違いない。