涙とキスと隣の泣き虫



こんな所に連れてきて、冗談だよじゃねーよ。
完全に笑うとこじゃねぇだろ。


「先輩、今までありがとうございました」

にっこりと微笑んでから、そのまま右足を大きく上げて、そのまま先輩のお腹へと思い切り3回連続振り落とせば。


「うッ……」

先輩もお腹をかかえてその場にしゃがみ込む形となる。

密室に連れ込まれて決して怖くない訳じゃない。けど部屋の中には、床の上にうずくまる大の男3人と女子の筈の私が1人がいるという異様な雰囲気が流れている。


「マジで、あり得ねぇ」

「田所、どーなってんだよ?あんなの女じゃねぇよ……」

「知らねぇよ」

後ろから男の人達と先輩の声も聞こえてきたけど、振り返る事なくその部屋を後にした。


< 47 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop