涙とキスと隣の泣き虫
こんな所に連れてきて、冗談だよじゃねーよ。
完全に笑うとこじゃねぇだろ。
「先輩、今までありがとうございました」
にっこりと微笑んでから、そのまま右足を大きく上げて、そのまま先輩のお腹へと思い切り3回連続振り落とせば。
「うッ……」
先輩もお腹をかかえてその場にしゃがみ込む形となる。
密室に連れ込まれて決して怖くない訳じゃない。けど部屋の中には、床の上にうずくまる大の男3人と女子の筈の私が1人がいるという異様な雰囲気が流れている。
「マジで、あり得ねぇ」
「田所、どーなってんだよ?あんなの女じゃねぇよ……」
「知らねぇよ」
後ろから男の人達と先輩の声も聞こえてきたけど、振り返る事なくその部屋を後にした。