涙とキスと隣の泣き虫



教室の目の前の中庭にウサギの小屋が1つ。名前は覚えていないけれど、小屋の中には3匹のウサギが学校で飼われていた。


「こっちも白いのに、目が赤くないぞ?」

「あー、こっちは茶色もまじってるから。真っ白じゃないから……」


リキはどうしようもないけど、頭は馬鹿じゃないのは知っている。


「へぇ、お前使えるな」

「使えるって、酷いよハナちゃん!!」

「数少ない取り柄だろ」

「うぅッ」

「ほら、また泣いたー」

ケラケラと笑う私の前には大きくなっても変わらない涙の粒。


「冗談だよ、一緒に世話しような」

頭の中で白と黒と茶色のブチ模様のウサギがぼんやりと思い浮かんだ。




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