涙とキスと隣の泣き虫
「先輩と妹さんって血が繋がってないじゃん」
「は?」
学校からの帰り道、リキから発せられた言葉の後に私の間抜けな声が漏れた。
「あれ、聞いてなかったっけ?」
隣を歩くリキは"一緒にいた時、話てた気がするけどなー"なんて首を傾げて言葉を続けていく。
「お母さんの再婚相手の子供なんだって。妹さん」
「ふーん」
「だから、少しでも仲良くなりたいって言ってたじゃん」
「へーそうなんだ」
「ハナちゃん?」
「大好きな先輩と親密になれて、良かったじゃん」
放課後の練習に付き合わされて、必然的に家の方向が一緒のリキと帰り道は一緒になるのだけど。
「なに?じっと見て」
リキが眉を下げて私に視線を向けている事に気が付いた。