涙とキスと隣の泣き虫



「え、え、ハナちゃ……」

優越感。震えるリキを上から見下ろしながら、口元を緩めた。


男子にしては細い首筋に白い肌。




「ね、ねぇ、ちょっと待ってよ」

震える声が、怯える赤い目が、やっぱりリキらしくて笑っちゃう。


「ハナちゃ、何かあったん……でしょ?」


まだ聞き出そうとするか。しつこいな。
また1つこぼれ落ちる涙をペロリと舐めれば、抵抗する手だって止まってしまう。


< 78 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop