涙とキスと隣の泣き虫
「いやいやいや」
"まいったなー"そう思いながら右手で頭をくしゃくしゃと掻いて。
「私が悪かった!!ふざけてあんな事して」
なんて言葉を続けると同時に、わざとらしい位に大きな溜め息を落とせば。
「ふざけて?」
リキは目をパチパチさせながら頭を傾げた。
「そう!面白がってみただけ!」
「面白い?」
「あんたがムカつく事言うからさー」
「……」
「はい、この話おしまい!!」
この私の大きな声と両手をパンッと叩く音が響いて、まるでそれが話し合いの終了の合図となる。
リキは、まだ納得のいかないように唇を尖らせていたけれど、無言のまま乱れた制服を整え出した。