涙とキスと隣の泣き虫
「あーあー、いい男いなかったね」
その合コンと称した集まりに、もちろん二次会なんてものは無かった。
「あんたねぇ!愛想笑い位しなさいよ!!」
相手の男の人が見えなくなった駅の広場に繰り広げられる会話は、私とマリのもの。
「もー、アイが強い彼氏欲しいって言うから」
「……」
「知り合いに無理いって集めて貰ったのに!」
「うるさいなぁ!!」
「……機嫌わッるー!」
マリは眉間に皺を寄せて私を睨み付けてから、
「……何かあったの?」
そう溜め息と共に言葉を続けた。