涙とキスと隣の泣き虫
そう、先輩との出会いはリキ絡みから始まった。
入学して間もない頃、先輩とリキは廊下でぶつかった。リキは先輩に謝まりながら泣いてしまって、いつもの様に私が迎えに行った時だった。
「リキ……あんたぶつかった位で」
「ハナちゃぁん」
なんて涙を流すリキは、廊下に座り込んでいた。
「すみません……」
顔をよく見ないで、初めて会った先輩に頭を下げる。
その場を去ろうとリキの腕を持ったところでーー、
「花田 アイちゃんだよね?」
はじめて先輩に声をかけられた。