涙とキスと隣の泣き虫



そう、先輩との出会いはリキ絡みから始まった。


入学して間もない頃、先輩とリキは廊下でぶつかった。リキは先輩に謝まりながら泣いてしまって、いつもの様に私が迎えに行った時だった。


「リキ……あんたぶつかった位で」

「ハナちゃぁん」

なんて涙を流すリキは、廊下に座り込んでいた。


「すみません……」

顔をよく見ないで、初めて会った先輩に頭を下げる。
その場を去ろうとリキの腕を持ったところでーー、





「花田 アイちゃんだよね?」

はじめて先輩に声をかけられた。


< 9 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop