涙とキスと隣の泣き虫
「ね、2人はいつから仲良いの?」
クスクスと笑みを溢す先輩は、ふんわり優しいもので。素直で嘘の無い、嫌味なんて似合わない女の子。
一緒にいると心が丸くなれる穏やかな雰囲気になれる女の子だから。
口が悪くて、すぐ手が出て、乱暴で馬鹿で本当に正反対で、私もこんな女の人なら良かったのに。
リキがこの先輩に惹かれたのが凄くよく分かる。
苛々したのは先輩に対しての嫉妬心。
認めたくなかったのは自分自身の本当の気持ち。
この人は、私に無いものを持っているから──。
「……先輩、ウサギって好きですか?」