ホームズの子孫はいつでも私を見つける
「もしかして、何かあったんですか?」

ルパンさんに言われ、「えっ……」と顔を上げる。ルパンさんの目は真剣なものになっていた。私は何も言えない。

「なるほど……」

ルパンさんは呟き、私の顎を優しく持ち上げる。近すぎるくらいに体が密着し、私は顔を赤くした。

「私は、あなたを見守っています。ですから安心してください」

「は、はい!」

近い距離で言われ、つい私も頷いてしまう。頷くしかできない。そんな気がした。

ルパンさんは満足げに微笑み、私の頰にキスをして去っていった。



それからも、強い視線は外に行くたびに感じた。でも園子ちゃんに心配をかけたくないから、一緒に出かける。一人じゃなかったらまだ大丈夫だよね。

今日は電車に乗って遠出をした。園子ちゃんと電車に乗ってあちこち行くのは初めてじゃない。パリから離れると同じフランスでも色んな景色が見れて楽しいんだ。

「この村の夕日を撮影するのが目的だから、それまでのんびり観光しよう!」
< 11 / 25 >

この作品をシェア

pagetop