ホームズの子孫はいつでも私を見つける

私も頷いたその時、ゾクリとした寒気が走った。強い視線を感じる。それと同時に今までよりも強い何かを感じた。それは……大きい危険。

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ！！」

悲鳴が聞こえ、私たちは後ろを振り向く。すると猛スピードで車が突っ込んでくるところだ。

「園子ちゃん！！」

私は園子ちゃんの手を引き、車を避ける。車は止まることなくお店に突っ込む。ガシャンと大きな音が響き、多くの人が車の周りに集まる。

運転席の扉が開き、黒い服の男性が姿を見せる。周りの人たちが声をかけても、男性は何も言わない。私を強い眼差しで見つめ、足早に立ち去っていく。

強い視線は、あの男性のものだったの？そして私を殺そうとした？恐怖で震えが止まらない。

「和香ちゃん？」

気がつけば、私の目から涙がこぼれ落ちていた。



それから数日後、私と園子ちゃんは夕食の買い出しに市場に行っていた。さすがおしゃれ大国。市場までおしゃれ。

でも、私の頭の中にはこの前の村でのことが頭から離れない。作り笑いも苦しくなってきた。