ホームズの子孫はいつでも私を見つける
「フランスに着いた初日から電車がストライキ起こしちゃってさ〜。フランスはストライキ大国で、必ずストライキがあるんだよね〜」

「それは大変そうだね」

「観光地も、ストライキでゆっくり見れなかったところもあったし」

「じゃあ、一緒に行こうよ。色々教えてほしいし」

そう日本語で話していると、どこの国の人だろうと言いたげな目をした店員さんが頼んだ紅茶とスイーツを持ってきてくれた。

「メ、メルシー」

辿々しいフランス語で何とかお礼を言い、シュークリームを一口食べる。シュークリームはフランス語ではシュー・ア・ラ・クレームと言うらしい。ちなみに、英語ではクリームパフ。

「おいしい……」

「こっちもおいしいよ!一口あげる」

カスタードクリームの甘い香りに、私は少しだけ頰を緩めることができた。とてもおいしく、紅茶によく合っている。

紅茶といえば、ホームズさんやワトソン先生の淹れてくれた紅茶はとてもおいしかった。もう二人の紅茶を飲めないんだ……。
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