気付かないで、好きになって。
男の女の友達なんか有り得ないって言う人もいるけど私はそんなこと思わない。
「ーーヒナコおはよ」
「おう!おはよーさん。今日も頭輝いてるね」
「感謝しろよ俺の頭のおかげで今日も光が行き渡るんだから」
真顔で決まり文句を唱えるこいつは北嶋康介(キタジマ コウスケ)私の気を許せる男友達の1人。
「けどコウちゃんほんとにそろそろ危ないんじゃない?前方進行ハゲがさらに進んでるで」
康介の(無いに等しい)前髪をかき上げて後ろから引っ張るのは私の親友、太田千紗都(オオタ チサト)唯一恋愛相談に乗ってくる女友達。
「この前誕プレで貰ったあの増毛剤は中身除毛剤さなにかだったのか、え?」
「ゾウモウザイダヨhaha」
社会では男女というのは大きな壁があるのかもしれない。けど私たちにはそんなもの関係なかった。お互いの短所も長所も分かりあって、肩並べて歩いてきた。
女が男で、男が女。
みたいなクラスで3年間過ごしてきた。
だからこのクラスで恋愛沙汰なんて1度もない。