私の知らない私の家族
「お兄さんが起こした事件についてご存知ですか?!」
「お兄さんが殺害した田崎さん、石江さん、鷹峯さんについてどう思われてますか?」
「お兄さんはあなたに対しても被害者にしたような残酷な仕打ちをしようとしたことがあるのでしょうか?」
「お兄さんはいつ帰ってこられますかね?!」
私を囲んで次々と質問を浴びせる記者達。
私が顔を伏せ、耳を塞ごうとした時、
「すみません。人の家の前で騒がないで頂けますか?」
振り向くと、そこにはいつも通りのスーツ姿のお兄ちゃんがこっちを見ながら立っていた。
お兄ちゃんの一言で記者達は一瞬で静かになった。
「ほら、家入ろ。」
お兄ちゃんは私にいつもと変わらない笑顔を向けると、私の手を優しく掴んだ。
「…い、一ノ瀬響眞さんですよね?!15年前の事件について一言!」
お兄ちゃんを見て驚いた顔をして固まっていた記者達が、やがてまた私たちにつきまとってきた。
お兄ちゃんは私と繋いでいた手を離し、私を守るようにすっと私の肩に腕を回した。
「ご遺族の方はあなたからの謝罪などが一切無いとの事ですがその点に関してお聞かせ下さい!」
「罪の意識はあるのでしょうか?」
「何故9歳のあなたはあんな事件を起こしたのだと思いますか?」
「人を3人も殺したというのに謝罪もなしですか?!」
マイクやカメラを向けられながら、私達は何とか家に入ることができた。
しかし、ドアを閉めて鍵を掛けてからも、外からの声やシャッター音は鳴り止まなかった。
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「お兄さんが殺害した田崎さん、石江さん、鷹峯さんについてどう思われてますか?」
「お兄さんはあなたに対しても被害者にしたような残酷な仕打ちをしようとしたことがあるのでしょうか?」
「お兄さんはいつ帰ってこられますかね?!」
私を囲んで次々と質問を浴びせる記者達。
私が顔を伏せ、耳を塞ごうとした時、
「すみません。人の家の前で騒がないで頂けますか?」
振り向くと、そこにはいつも通りのスーツ姿のお兄ちゃんがこっちを見ながら立っていた。
お兄ちゃんの一言で記者達は一瞬で静かになった。
「ほら、家入ろ。」
お兄ちゃんは私にいつもと変わらない笑顔を向けると、私の手を優しく掴んだ。
「…い、一ノ瀬響眞さんですよね?!15年前の事件について一言!」
お兄ちゃんを見て驚いた顔をして固まっていた記者達が、やがてまた私たちにつきまとってきた。
お兄ちゃんは私と繋いでいた手を離し、私を守るようにすっと私の肩に腕を回した。
「ご遺族の方はあなたからの謝罪などが一切無いとの事ですがその点に関してお聞かせ下さい!」
「罪の意識はあるのでしょうか?」
「何故9歳のあなたはあんな事件を起こしたのだと思いますか?」
「人を3人も殺したというのに謝罪もなしですか?!」
マイクやカメラを向けられながら、私達は何とか家に入ることができた。
しかし、ドアを閉めて鍵を掛けてからも、外からの声やシャッター音は鳴り止まなかった。
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