私の知らない私の家族
第2章,私の両親
いじめ
あの日から1週間くらい経った。
あのあと私たち一家は取り敢えず家を出て、今はお父さんのお兄さん…伯父さんの家に匿ってもらっている。
でも…こんな贅沢を言っている場合じゃないのは十分分かってるけど…私はここに来たくなかった。
とある休日、お父さんとお母さん、伯父さんと伯母さんは出掛けていて、家には私と従姉妹だけだった。その時、
「ちょっと邪魔なんだけど?」
私が部屋の隅に蹲っていると、従姉妹が絡んできた。
「ご、ごめんなさい…」
私が慌ててその場を離れようとすると、従姉妹はスッと脚を出してきた。それに引っかかって私は転んでしまう。私は従姉妹の方を見上げた。意地悪そうな瞳がこっちを見下している。
「ねえ、アンタの兄貴のせいで私達は家族水入らずで過ごせなくなったんだけど?何で私らがアンタら匿わなきゃいけないわけ?一ノ瀬さん。」
一ノ瀬さん…最後に私の苗字を嫌味たっぷりに言った従姉妹…宮川樹梨音(ミヤカワ ジュリネ)。年は私の一個上だ。
彼女とは今回の件が起こるまではごく普通の従姉妹同士だった。過去にも彼女に「何でサユちゃんはお母さんの苗字なの?」と聞かれたことはあったが私もまさかお兄ちゃんの件なんて知らなかったし当時は深く考えなかったから「なんでだろ?」としか答えていなかった。
でも今回、お兄ちゃんが犯した犯罪が再び話題となったことで、そして私達が転がり込んできたことで、彼女は私の苗字の理由を知って、元少年Aのお兄ちゃんの妹である私に辛く当たり、苗字が違うことまで利用して差別するようになったのだ。
あのあと私たち一家は取り敢えず家を出て、今はお父さんのお兄さん…伯父さんの家に匿ってもらっている。
でも…こんな贅沢を言っている場合じゃないのは十分分かってるけど…私はここに来たくなかった。
とある休日、お父さんとお母さん、伯父さんと伯母さんは出掛けていて、家には私と従姉妹だけだった。その時、
「ちょっと邪魔なんだけど?」
私が部屋の隅に蹲っていると、従姉妹が絡んできた。
「ご、ごめんなさい…」
私が慌ててその場を離れようとすると、従姉妹はスッと脚を出してきた。それに引っかかって私は転んでしまう。私は従姉妹の方を見上げた。意地悪そうな瞳がこっちを見下している。
「ねえ、アンタの兄貴のせいで私達は家族水入らずで過ごせなくなったんだけど?何で私らがアンタら匿わなきゃいけないわけ?一ノ瀬さん。」
一ノ瀬さん…最後に私の苗字を嫌味たっぷりに言った従姉妹…宮川樹梨音(ミヤカワ ジュリネ)。年は私の一個上だ。
彼女とは今回の件が起こるまではごく普通の従姉妹同士だった。過去にも彼女に「何でサユちゃんはお母さんの苗字なの?」と聞かれたことはあったが私もまさかお兄ちゃんの件なんて知らなかったし当時は深く考えなかったから「なんでだろ?」としか答えていなかった。
でも今回、お兄ちゃんが犯した犯罪が再び話題となったことで、そして私達が転がり込んできたことで、彼女は私の苗字の理由を知って、元少年Aのお兄ちゃんの妹である私に辛く当たり、苗字が違うことまで利用して差別するようになったのだ。