私の知らない私の家族
メッセージに書いてあった部屋のドアを開けると、お兄ちゃんがスマホを弄って待っていた。
「お兄ちゃん…」
私が声をかけると、お兄ちゃんは顔を上げて今回の騒動の前と同じ微笑みを私に向けた。
「久しぶり。サユ。」
その笑顔は私の知っている優しいお兄ちゃんの笑顔だった。
ーーー
その後、私はお兄ちゃんにこの1ヶ月間のことをジュリネにいじめられていることを除いて全て話した。お父さんもお母さんも少しずつ元気になってきていることや、伯父さんや伯母さんに良くしてもらっていること。そして、私なりにお兄ちゃんの事件のことを調べて現実と向き合っていることも。
「…そっか。とうとうサユにまであの事詳しく知られちゃったわけだ。」
お兄ちゃんはどこか寂しそうな表情で言った。
そしておもむろに立ち上がり、
「ありがとうサユ。13年間一緒に居れて楽しかったよ。これからは父さんと母さんと3人で本当に幸せな家族になってくれよ。」
そう言って部屋を出ようとした。
「待ってお兄ちゃん!」
お兄ちゃんの腕を慌てて掴む私。
「私、お兄ちゃんと縁切るなんて絶対に嫌だよ!少年Aだろうと殺人犯だろうとお兄ちゃんはお兄ちゃんだもん!」
私は今までこんなにも真剣な口調でお兄ちゃんに何かを訴えたことはなかった。だからか、お兄ちゃんは驚いた顔で私を見つめている。
「お兄ちゃん…」
私が声をかけると、お兄ちゃんは顔を上げて今回の騒動の前と同じ微笑みを私に向けた。
「久しぶり。サユ。」
その笑顔は私の知っている優しいお兄ちゃんの笑顔だった。
ーーー
その後、私はお兄ちゃんにこの1ヶ月間のことをジュリネにいじめられていることを除いて全て話した。お父さんもお母さんも少しずつ元気になってきていることや、伯父さんや伯母さんに良くしてもらっていること。そして、私なりにお兄ちゃんの事件のことを調べて現実と向き合っていることも。
「…そっか。とうとうサユにまであの事詳しく知られちゃったわけだ。」
お兄ちゃんはどこか寂しそうな表情で言った。
そしておもむろに立ち上がり、
「ありがとうサユ。13年間一緒に居れて楽しかったよ。これからは父さんと母さんと3人で本当に幸せな家族になってくれよ。」
そう言って部屋を出ようとした。
「待ってお兄ちゃん!」
お兄ちゃんの腕を慌てて掴む私。
「私、お兄ちゃんと縁切るなんて絶対に嫌だよ!少年Aだろうと殺人犯だろうとお兄ちゃんはお兄ちゃんだもん!」
私は今までこんなにも真剣な口調でお兄ちゃんに何かを訴えたことはなかった。だからか、お兄ちゃんは驚いた顔で私を見つめている。