私の知らない私の家族
「…分かった…もう分かったから…泣くなよサユ。」
お兄ちゃんの胸に顔を埋めている私にはお兄ちゃんの表情は見えない。でも、その声は確かに震えていた。そして、私の背中を優しく撫でてくれている手も…。
本当はずっと辛かったんだね…
今まで気付いてあげられなくてごめんね…
何も知らずに勝手に恨んだりして本当にごめんなさい…
お兄ちゃんの事件について調べた時、確かこんな事も書かれていた。
『最初は自らが犯した殺人に全く罪悪感を感じておらず、むしろ世間の人々は世の中からゴミを掃除してあげた自分に感謝すべきだとも供述していた少年Aだが、児童自立支援施設に送致されカウンセリングなどの治療を受けるうち、自らの過ちに気づき、時には涙を流しながら懺悔する事もあった。』と。
「ずっと苦しかったよね…でももう大丈夫だよ…私がついてるから。」
そう言って涙目の笑顔を見せた私を、お兄ちゃんはもう一度強く抱きしめてくれた。
「ありがとう…サユ。」
お兄ちゃんは私が泣き止むまでずっと優しく背中をさすってくれた。
私が落ち着いてきた頃、お兄ちゃんが私に呼びかけた。
「ねえサユ」
「何?お兄ちゃん。」
「あのさぁ…
もう終わっていいかな?この茶番。」
お兄ちゃんの胸に顔を埋めている私にはお兄ちゃんの表情は見えない。でも、その声は確かに震えていた。そして、私の背中を優しく撫でてくれている手も…。
本当はずっと辛かったんだね…
今まで気付いてあげられなくてごめんね…
何も知らずに勝手に恨んだりして本当にごめんなさい…
お兄ちゃんの事件について調べた時、確かこんな事も書かれていた。
『最初は自らが犯した殺人に全く罪悪感を感じておらず、むしろ世間の人々は世の中からゴミを掃除してあげた自分に感謝すべきだとも供述していた少年Aだが、児童自立支援施設に送致されカウンセリングなどの治療を受けるうち、自らの過ちに気づき、時には涙を流しながら懺悔する事もあった。』と。
「ずっと苦しかったよね…でももう大丈夫だよ…私がついてるから。」
そう言って涙目の笑顔を見せた私を、お兄ちゃんはもう一度強く抱きしめてくれた。
「ありがとう…サユ。」
お兄ちゃんは私が泣き止むまでずっと優しく背中をさすってくれた。
私が落ち着いてきた頃、お兄ちゃんが私に呼びかけた。
「ねえサユ」
「何?お兄ちゃん。」
「あのさぁ…
もう終わっていいかな?この茶番。」