その手を離さないで。

初めて出会った日が何年前のことになるか、改めて数えてみないと分からない。

あの頃みんなはお揃いのブレザーを着て、胸には同じエンブレムがあって、個性を出せない中必死に自分らしさを探してた。

私とあなたも一緒で、同じ服を着て、同じものを食べて、同じ空間で同じ時を過ごす。
何か起きる小さなきっかけを待っているように私たちは毎日を繰り返していた。

きっかけはなんでも良かった。

席替え、体育祭、移動教室、、、

いろんなものが私たちにとっては小さなきっかけ。



そして、

美術の授業。

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