人魚の涙〜マーメイド・ティア〜
第一章
始まりの鐘
「…どうするんだ。」
あたしの目の前にいる金髪でサラサラとした髪を襟足くらいまで伸ばし前髪は右側にさらっと目にかかるか、かからないかくらいで伸ばしてある男
ー…なんて綺麗な顔だ。
見入ってしまうほどの綺麗な顔。
だけど彼のそんな一言で現実に引き戻される。
「…全力で拒否します。」
「拒否権はない。」
「だから、聞く意味!」
「ぶはっ!くくくっ」
このやりとりももう何度目だ。
うんざりして盛大に吹いた人を見る。
この人もかなり整った顔をお持ちだ。
カカオブラウンの髪にさらっと流してる前髪、全体的にゆるいパーマがかかっている。
「なぁー、こう言ってるんだからもうこんなやつほっとけば?」
どかっと偉そうにソファーに寝転がっている人から声があがる。
彼もまた金髪だ。そしてどことなく目の前で何度も同じ質問をしてくる彼に髪型が似ている。
「そうだよー、別にいいじゃん!俺はレンに賛成!」
可愛らしい声が聞こえ、ひょこっと質問してくる彼の後ろから銀髪の可愛い男の子が現れる。
…可愛い!!恐ろしく可愛い!!
そのふわふわの髪に触れたい…。
はっ!やばいやばい、手が伸びかけていた。
「まぁまぁ2人とも、シンが気に入ったんだから悪い子じゃないよ。」
まだ少し笑ってるカカオブラウンの彼がレンと呼ばれたやつと銀髪の可愛い男の子を宥める。
バタバタッ!
「あっ、チアキちゃんそこあぶなっー」
ガンッ!!!
その音とともに後頭部に衝撃が走った。
「いったぁぁぁい!」
あまりの痛さに体が前に飛び退く。
「ごめん!大丈夫!?」
また新たな声に思わず顔を上げると
「わぉ…真っ赤…」
髪が真っ赤に染まった短髪に爽やかな好少年がいた。
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