人魚の涙〜マーメイド・ティア〜
広場に戻るとさっきの同盟を組んでる3人プラス
「あ。」
「え。」
マミと金髪の姐さんがいた。しかもマミはベッタリと白田にくっついている
マミはどうやら白田の女らしい、じゃあ金髪の姐さんはだだの付き添い?
まぁ、いいや。興味ないし。
「千晃、こっちに来い。」
慎が呼びかけるので、慎の隣に座るとマミから話しかけてきた
「まさか、あんた神獣だったの?」
言ってる意味がわからないので首を傾げる
そんなあたしたちのやりとりを見て白田が声をかけてきた
「なんだ、マミ。この女と知り合いなのか?」
すると先ほどのトイレでの態度が一変
「あのね、さっきねこの子私たちに突っかかってきて乱暴されたの。」
猫撫で声でありもしない嘘をつく
え、あなた方から突っかかってきたし、確かに少し手荒に追い払ったのは合ってるけど、まるであたしから喧嘩を吹っ掛けたみたいな言い方はやめてほしい。
「おい、神獣の姫さんよぉ、ほんとか?」
「いえ、違います。」
説明するのがめんどくさくて、とりあえず事実とは違うということは否定しておく。
「ほんとよ、白田!現にアミが肩痛めてるもの…、アミ少し肩を見せてみて。」
アミと呼ばれた金髪の姐さんが肩を少しシャツの襟から出す、すると少し赤くなって腫れていた
まぁ、少し強めに捻ってしまったからなぁ
「ね、この子ひどいことするのよ!」
「姫さんよぉ、女同士だからってこれは良くないんじゃないの?」
白田の目が少し鋭くなってあたしを捉える。
さて、さっきまでの状況をどう伝えるべきか迷う。
あたしが本当のこと話してしまうとまた麻奈美が嫌な思いをするかもしれない。だったらここで事実とは違っても謝ったほうが穏便にことが済むならそうしよう。
「確かにあたしはその金髪のお姉さんにひどいことはしました。怪我をさせてしまってごめんなさい。」
そう言って首だけ下げて謝る
それを見て気分が良くなったのか、マミが麻奈美まで話しかけた。
「麻奈美、あんたもさっき私に失礼な態度とったわよね?私を侮辱するということは白田も侮辱することなのよ、下っ端の分際で身の程をわきまえなさ、ギャっ!!」
「千晃!ダメ!!!」
何、言ってんだこの女…
って冷静に客観視している自分とマミの悲鳴で話そうとしていた言葉はかき消され、麻奈美の制止の声が聞こえてくる。
「上とか下とか関係なく、あたしは貴方を嫌います。」
そう低い声を発しながらしゃべっているのはあたしで、マミの胸ぐらを掴んでいるのも、もちろんあたしで。
落ち着け、慎たちに迷惑をかけると思っても心は静まらない。
こんなに人を見下す人間がいるのかと怒りが抑えきれない。
ましてやあたしが大事にしてる友達をそんなふうに言われて黙ってられない。
「先に手を出してきたのはそちらですよね?麻奈美の頬に付いた傷、貴方がやったものですよね?」
ぐっと胸ぐらに力を入れる。そのせいで息ができないのか顔がどんどん白くなっていく。
「おい!!お前、離せ!!」
そう叫ばれて横から誰かに突き飛ばされた
受身も何もとってなかったから尻から床に強打すると思ったけど何かが背中を支えてくれて打ち付けることはなかった。