人魚の涙〜マーメイド・ティア〜



強い?あたしが?


「そうかな?」


「あぁ!強い!だって俺だったら仲間に隠し事されたら不安で仕方ないもん!それだけで信用するかしないか結構悩む。でも、姫ちゃんはそれでも慎くんたちのこと信じてるみたいな発言するし、自分の非力さを認めて身を引いてるとこがすごいよ!そんなの心が強くないと無理だと俺は思う!」



ブワッと一気に話しだした三宅くんに圧倒されつつも少しむず痒くも感じた



「…千晃。」



ー…慎に名前呼ばれるの未だに慣れないな



「…時期が来ればお前にもちゃんと話す。それまで待ってくれるか。」



なんで、そんな切なそうな顔をして言うんだろう…


でも、あたしの答えは決まってる



「うん。あたしはいつか慎たち話してくれる時まで待つよ。ちゃんと待つ。」



あたしの答えを聞いて何故か少しホッとしてる



「あぁ、いい子にしてろ。」

「うん!」



慎は軽くあたしの頭を撫でて緑龍の早乙女さんと何かを話し込み始めた



「なんか、俺わかった気がするかも。」


「え?何昴、どうしたの?」



昴の小さな声が聞こえたので聞き返す



「あ、あぁ。なんか誰も今まで寄せ付けなかった慎さんたちがなんで千晃を迎え入れたのかなんとなくだけどわかった気がした…」


「んー?そうかなぁ?特に変わってることなんて何もないけど。」


「いや、そういう見える何かじゃなくて。なんかもっとこう…だぁぁっぁぁ!難しいことはよくわかんねぇ!俺の感覚だ!!」


「はぁ…、昴ってば。適当な感覚値で話してるから気にしないで。そんで、早見さんが呼んでる。」



麻奈美が昴に奏多が呼んでると声をかけると元気よく返事して駆けて行った



「昴がなんか言ったかも知らないけど気にしなくていいから。あいつ、あんたと一緒で感覚値で物を言うタイプだから。」


「まって、麻奈実さん。今私も一緒に馬鹿にされませんでした?」


「あら、急に頭の回転がいいわね?」


「カーッ!!怒った!」



麻奈美にダイブして抱きつくと避けきれなかったのか、あたしに捕まる


そんな私たちを微笑ましくみんなが見てるとも知らずに麻奈美とじゃれあってた



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