人魚の涙〜マーメイド・ティア〜
そして今こんな状況に至るのだ。
もう何回も同じ質問を繰り返され、挙句の果てにはドアを後頭部に当てられ、そもそもそこに立ってた私が悪いのだが。
「俺やだー!女がここにいるのはっ!」
銀髪の彼はシンに訴える。
「…けじめだ。」
悪魔よ、なんのけじめだ。
「まぁそれなら仕方ないか…どうせ2週間で消えるしな!」
銀髪の可愛い子よ、いろんな意味の消えるが含まれているんじゃないのか
ひとりでに心でつっこんでいると
「とりあえず2週間だけいてくれないかな、俺たちを助けるためだと思ってさ。それにほんとに申し訳ないって思ってるならこれくらいいいよね?」
カカオの彼はまた有無を言わせない黒い笑顔でこっちを向いて微笑んでいる。
…怖い。
まぁ2週間で解放されるならいっか。
何も起こらないと思うし。
「…ほんとに2週間で解放してくれるんですよね?」
あたしはなんとなく絶対のオーラを放っている目の前の金髪悪魔に目を向ける。
そしてその悪魔は目をスッと細めて
「ああ。」
妖艶に微笑んだのだ。