人魚の涙〜マーメイド・ティア〜
本日2度目の倉庫を出るとバイクにもたれて待っていた慎がいた。
慎が先に行ってしまうからここまで来るのに下の子達にめっちゃ見られたではないか。文句を言ってやりたいけど怖いからやめとく
「乗れるか?」
「え、運転できないよ?免許ないし」
大真面目に返すあたしを見てなぜか呆れた顔をされた
「ちげぇ、お前に運転はさせない。後ろに乗れるかって意味だ、バカ。」
「あ、そういう意味ね!ごめんごめん!乗ったことないけど乗ってみる」
慎にバカって言われても嫌な気がしないのはなんでだろう?もしこれが蓮ならバカはお前だ!って返してたかもしれない
慎が持つ雰囲気があたしには合うから嫌な気にならないのかも。
そんな事をおもいつつ、ヒラリと跨がる。
まぁ、ほぼジャンプしながらだけど
「乗れたよ!自転車乗るのとそう変わらないね!」
乗れるか聞くもんだからそんなに簡単には乗れないのかと思っていたが案外あっさり乗れてしまった。
「チッ」
「待って、なんで舌打ち?」
少しつまんなそうにする慎を不思議に思う。
「まぁいい、行くぞ。しっかり掴まってろよ。」
慎もバイクに乗ってエンジンを吹かし緩やかに走り始めた。