人魚の涙〜マーメイド・ティア〜



「そうだよ、そうだよー!俺も蓮にさんせーい!早くアキ達にも認めてもらいたいし!」



蓮の発言に波瑠が反応してあたしの腕に絡みつきながら可愛らしい笑顔を振りまいてるが


気になることが1つ。



「アキ達っていうのは?」



この際だから思い切って先に訪ねとこうと思って敦先輩を見る



「下にいる子のうちの1人なんだけどその中でもアキは下をまとめてる役割を持ってる子なんだ。まとめた呼び方で悪いんだけどね」



少し苦笑いをしながら丁寧に説明してくれた。


なるほど。
それは…



「這ってでも行く。」

「やったー!!」
「うわっ」



あたしの返事に波瑠がさらに体重をかけて絡みついてきたからバランスを崩して倒れこむ


だけど倒れたところに蓮がいて支えてくれる



「あっぶねぇーな、波瑠てめぇいい加減にしろよ!」



波瑠を睨みつけながらあたしを元の位置に戻す


前から思ってたけど蓮って石けんの匂いがする。
ボディーソープとかのあの感じの匂い。


って、あたしは変態か!



「んで~?何をそんなに考えてたわけ~?」



奏太がスマホをイジイジしながら聞いてくる


あ、そうだった。



「明日、買い物行ってもいいかな?泊まるのに必要なもの買い揃えたいんだ。」



なんとなく慎の方を見て告げた。


そしたら案の定



「どーする?慎」



何が可笑しかったのかクスクス笑いながら敦先輩が再度慎に確認を取る



「…わかった。」



こうしてあたしはこっちに来て初めてお買い物というものをすることになった。



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