人魚の涙〜マーメイド・ティア〜
それからは、みんなと徐々に打ち解けてきて仲良くしてくれた
「ちーさん!次、バレーしましょ!」
「そうっすよ、ビーチバレー!」
「ドッチも飽きましたし!」
でも、一つだけ言いたいことがる
「あたしの体力考えやがれ!!」
こいつらの体力どうなってんだ、ほんとに…
海でジャーマンを散々喰らったあと、棒とりをやらされて、そのあとバットで30回まわってスイカ割り…そしてドッヂボール、ビーチバレーだと!?
こいつら私のこと化け物だと思ってんじゃないのか!?てか、あんたらが化け物だ!!
「あ、あたし、もうギブ!休ませて!」
「えぇ~!!まだやりましょうよ!ちーさん!」
「断る!」
そう言い切るとダッシュでみんなの元から逃げて涼しげにみんなを見ている敦先輩のところへ行く。
「楽しそうだね、千晃ちゃん」
「楽しいですけど、拷問に近いです…、先輩はみんなと遊ばないんですか?」
切れ切れの息を整えつつ聞く
敦先輩が海に入るところも、砂浜で駆け回っているところもまだ見てない。
蓮たちの方を見ると馬鹿みたいに走り回っていて、あ、こけた。
「ふふっ、見てる方が楽しいから。千晃ちゃんは休憩?」
「もう無理です、あんな体力ばかたちとずっと遊んでたら死にます。」
体力ばかたちかとつぶやいてまた笑いだす。
敦先輩はいつも笑ってる。こんなに笑ってる人ってそんなにいないんじゃないかな。
…でもそれがたまにほんとの笑顔なのかあたしはわからなくなる。
「ん?どうかした?」
急に静かになったあたしが不思議だったのか尋ねてくるが何でもないと首を振る。
…そういえばさっきから慎の姿が見当たらない。