人魚の涙〜マーメイド・ティア〜


「あの、あたしですけど誰ですか?」



小さく挙手をしながら少し眉をひそめる。


普通科の人かな?でもこんな人見たこと無いな。
もしかして先輩かな?
でも先輩があたしに何の用だろう。



「あ、やっぱり君なんだ。病み上がりのところ悪いんだけど話があるんだけどちょっといいかな?」



あたしは心配そうな顔している麻奈実と顔見合わせて頷く。


これは間違いない。



ー…告白だっ!!!!



あたしにこんな日が来るなんて!夢みたいだ!
え、近寄ってくるんだけど!ここで!?


返事はどうしよう!


だけどそんな私の思考はすぐシャットアウトされた。



彼は耳元でなんとも悪夢の始まりを告げるのでした。



「さっき、金髪の特殊科の人投げ飛ばしたよね?問題にされたくなかったらついてきてくれるよね?」



彼の言葉を聞いてあたしはフリーズする。



「千晃?」



突然ぼうっとするあたしを麻奈実はゆさぶる。



「…はい。」



しぶしぶそう言って彼についていくことにした。


ばれたらたちまち学校の噂になることは間違いないし。


めんどくさいことになる前に謝ろう。


そう思い彼と一緒に部屋を出た。



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