私だけのアナタ
次の日。
朝になって足を触ってみたけど腫れは治まっていない。
見ると青く変色していた。
「うぇ〜……」
本当に…折れてるのかな。
恐る恐るベッドから降り、歩いてみる。
「…った……」
左足に体重をかけた途端、ズキンとした痛みが足の甲に広がる。
その瞬間、私の頭に『骨折』の2文字が浮かぶ。
「ダサすぎるじゃん…」
左足に体重をかけないようにしてリビングまで歩き中に入ると、お母さんは私を見るなり笑った。
「奏、それ絶対折れちゃったね」
「やっぱり?」
「今日は学校は?」
「午前だけ…。だけど今日はもう休もうかな」
「そうしなさい。そんな足で行っても大変でしょ」
「うん」
その会話をお兄ちゃんは申し訳なさそうに聞いていた。
仕方ないよ。私も寝ぼけていたし。
もしかしたらお酒がまだ残っていたのかもしれないし。
だとしたら自業自得としか言いようがないから。
「奏も早くご飯食べてね。いつもより早く家出るから」
「はーーーい」
パタパタと忙しそうなお母さん。
お兄ちゃんも大学が休みなのか、または午後からなのかわからないけどゆっくりと過ごしている。
ハァ………
自然とため息が溢れてしまう。