視線
仕事

電車の時間の関係でいつもかなりはやくついてしまう。もうひとつ遅いとギリギリになってしまうので仕方ない。
「おはようございます」
「おはようございます」
下田さんだ。今日も出勤がはやい。眠そうだが仕事が始まればいつも完璧にこなす。頼れる先輩だ。
「最近どう?頑張り過ぎてない」
「大丈夫です。今日も元気です」
私はとっさに嘘をついてしまう。もう慣れてしまってる。しかし職場の人には無理をしてるとはけして言えない。
「そっか無理すんなよ」
「はい」
有難い。この一言でまた今日も頑張れる。
「おはようございます」
「おはようございます」
次々と同僚達が出勤してくる。今日もまた一日が始まろうとしていた。
「おはようございます」
「おはようございます」
「最近無理してない?大丈夫ですか?」
田無さんにも言われてしまった。そんなに私は疲れて見えるだろうか。
「大丈夫です、田無さんこそ今日もギリギリですね、また怒られちゃいますよ」
「ああ、俺も最近寝つきが悪くてね」
「そうですか」
ジリジリと朝礼のアラームがなる。全員席から立つ。部長が話すのをじっと聞く。欠伸が出そうになるのをぐっと堪える。これから私たちの一日が始まる。
話終えると外回りの私たちは外出の準備を整える。
支度は出来てる。私はカバンを持ち階段を早歩きで駆け下りて今日の仕事を始める。気合いも入る。
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