視線
違和感
疲れた。19時50分。階段をコツコツ上がり私のアパートに帰る。外回りは身体的に疲れる。ふくらはぎがパンパンに張っている。はやくゆっくりしたい。
鍵を開ける。開いていた。
いや気のせいかどっちだろう。もう一度捻る。開いた。閉め忘れたのだろうか。分からない。暗闇にじっと目を凝らす。誰かいる気がする。すぐに電気を付ける。誰もいない。なんだったのだろうか最近疑心暗鬼が過ぎる気がする。誰もいない。誰もいない。誰もいない。何度も自分自身を言い聞かせる。靴下を脱ぎ洗濯機に放り込む。スーツを脱ぎハンガーにかける。全身を着替える力はもう無かった。シャツのままソファに沈み込む。
そこでテレビを付けた。違和感を感じる。確実にリモコンの位置が違う。気のせいだろうか分からない。誰かいる。いやいない。どうしよう。テレビに映るお笑い芸人の渾身の漫才が全く面白くない。頭に入って来ないのだ。何を言っても頭の中を通り過ぎる。気の利いた言い回しが今の私には全く理解出来なかったのだ。どうしよう。誰かいる。
どこにいるのだろ部屋は1K隠れる場所などない。どうしよう。クローゼットかトイレか浴室そこくらいしか隠れる場所などない。
「誰かいるの?」
小さな声を振り絞る。誰の返事もない。そっとクローゼットに近づく。
「誰かいますか?」
耐えきれず私は勢い良くクローゼットを開けた。いつも通りに上着がかけてある。誰もいない。
良かった。一安心。意識的に呼吸をする。きっと気のせいだ誰もいない。誰もいない。誰もいない。
心音があがる。胸をはち切れそうだ。トイレにも向かう。
「誰かいますか?」そっとドアを開ける誰もいない。やはり気のせいだ。安心してソファに座る。一気に疲れがやってくる。倦怠感と大きな眠気。どっと力が抜ける。テレビをボーと見ながら時間がすぎるのを感じていた。
違和感の事など忘れて私は2.3時間ソファで過ごしていた。仕事の疲れもだいぶ癒えてきた。
少し面倒だが風呂に入ろう、準備を進め整える。寒いな。寒さとはべつに背筋が凍りつく。また天井が空いていたのだ。昨日調べたら風の影響で天井が空いてしまう事もあるらしい。だがおかしいそんなに開いてしまうものなのか不思議だ。どっと脂汗が滲む。怖い。怖い。怖い。
誰かいるのではないか確かめる勇気はない。そっと浴槽を利用して天井をまた戻す。きっと風のせいだ自分を言い聞かせる。シャワーを浴びる事で現実を忘れようと悶える。きっと何かの間違いだ。そもそも空いてなかったのだ。半狂乱に頭を洗い事実を忘れようとする。どうしよう。どうしよう。どうしよう。
風呂を上がりすぐに友人に連絡をする。
「また空いてたんだけど、どうしよう」
「また空いてたの?誰かいるじゃん(笑)」
「笑い事じゃない、本当に助けて欲しい」
「いや、引っ越すとかしかないじゃんとりあえずカメラ仕掛けてみよう、カメラこっそりバレないところに」
「わかった、やってみる」
疲れた。19時50分。階段をコツコツ上がり私のアパートに帰る。外回りは身体的に疲れる。ふくらはぎがパンパンに張っている。はやくゆっくりしたい。
鍵を開ける。開いていた。
いや気のせいかどっちだろう。もう一度捻る。開いた。閉め忘れたのだろうか。分からない。暗闇にじっと目を凝らす。誰かいる気がする。すぐに電気を付ける。誰もいない。なんだったのだろうか最近疑心暗鬼が過ぎる気がする。誰もいない。誰もいない。誰もいない。何度も自分自身を言い聞かせる。靴下を脱ぎ洗濯機に放り込む。スーツを脱ぎハンガーにかける。全身を着替える力はもう無かった。シャツのままソファに沈み込む。
そこでテレビを付けた。違和感を感じる。確実にリモコンの位置が違う。気のせいだろうか分からない。誰かいる。いやいない。どうしよう。テレビに映るお笑い芸人の渾身の漫才が全く面白くない。頭に入って来ないのだ。何を言っても頭の中を通り過ぎる。気の利いた言い回しが今の私には全く理解出来なかったのだ。どうしよう。誰かいる。
どこにいるのだろ部屋は1K隠れる場所などない。どうしよう。クローゼットかトイレか浴室そこくらいしか隠れる場所などない。
「誰かいるの?」
小さな声を振り絞る。誰の返事もない。そっとクローゼットに近づく。
「誰かいますか?」
耐えきれず私は勢い良くクローゼットを開けた。いつも通りに上着がかけてある。誰もいない。
良かった。一安心。意識的に呼吸をする。きっと気のせいだ誰もいない。誰もいない。誰もいない。
心音があがる。胸をはち切れそうだ。トイレにも向かう。
「誰かいますか?」そっとドアを開ける誰もいない。やはり気のせいだ。安心してソファに座る。一気に疲れがやってくる。倦怠感と大きな眠気。どっと力が抜ける。テレビをボーと見ながら時間がすぎるのを感じていた。
違和感の事など忘れて私は2.3時間ソファで過ごしていた。仕事の疲れもだいぶ癒えてきた。
少し面倒だが風呂に入ろう、準備を進め整える。寒いな。寒さとはべつに背筋が凍りつく。また天井が空いていたのだ。昨日調べたら風の影響で天井が空いてしまう事もあるらしい。だがおかしいそんなに開いてしまうものなのか不思議だ。どっと脂汗が滲む。怖い。怖い。怖い。
誰かいるのではないか確かめる勇気はない。そっと浴槽を利用して天井をまた戻す。きっと風のせいだ自分を言い聞かせる。シャワーを浴びる事で現実を忘れようと悶える。きっと何かの間違いだ。そもそも空いてなかったのだ。半狂乱に頭を洗い事実を忘れようとする。どうしよう。どうしよう。どうしよう。
風呂を上がりすぐに友人に連絡をする。
「また空いてたんだけど、どうしよう」
「また空いてたの?誰かいるじゃん(笑)」
「笑い事じゃない、本当に助けて欲しい」
「いや、引っ越すとかしかないじゃんとりあえずカメラ仕掛けてみよう、カメラこっそりバレないところに」
「わかった、やってみる」