視線
撮影
私は急いでドンキホーテで小型カメラを買った。五千円で買えた。何回も使う訳では無いので画質とかは何でもいい。今の私には誰もいないという現実だけで十分だ。
私は翌朝小型カメラを部屋のテーブルの上に仕掛けて仕事に向かった。
写っていて欲しい気持ちと写っていて欲しくない気持ちに板挟みに押しつぶされそうだ。
とにかく私は仕事に向かう。
「おはようございます」
「おはようございます」
今日も下田さんははやい。仕事は大変だが大人が沢山いることで家にいるより安心する。今日も外回りだ。朝礼が始まり少しづつ頭も冴えていく。今日も頑張ろう。
仕事が終わり帰路につく。20時。今日も疲れた。クタクタで帰るがカメラの存在を思い出して緊張感が高まり始める。自分のアパートの階段をあがる。1歩ずつ緊張感が高まる。部屋の前で大きく深呼吸をする。
鍵は閉まっていた。当たり前のことだが安堵する。その安堵は束の間部屋に入ると異臭がする。
その匂いは臭い訳では無いが私の匂いじゃない匂いがする。気のせいだろうか不安がよぎる。目の前には誰もいない。誰か居るはずはないのだ。カメラに目を落とす。仕掛けた時と同じ位置にある。同じ角度同じ色。撮影中のランプも赤く点滅している丁度容量が切れたみたいだ。
確認をしてみよう。
固唾を飲む。怖い。怖い。怖い。だがハッキリさせないといけない。私の気のせいなのだ。
ゆっくり録画を再生し始める。何も無い私の部屋だ。人影が映る。どうやら朝の私だ。カメラをセットしている。一安心する。何もない時間が始まる。
早送りのボタンを押す。ずっと何も変哲もない私の部屋がずっと写っていてる。
いや、私の気のせいは気のせいでは無かった。人がカメラの前を通り外に出ていった。私の体はガタガタと震え始めた。怖くて見るのを辞めたいが動くことも出来ない。どうしよう。早送りは続く。停めなくては指が震えてカメラを停止できない。
私の息は荒くもう少しで気を失いそうだ。早送りは続く。画面を見てるとまた人影だ。それはだんだんカメラに近ずいてくる。男だ。
「あれ、え、なんで?」
そこに映るのは同じ職場の田無さんだった。私は半狂乱になり画面に映る現実を理解出来なかったのだ。少しづつ田無はカメラに近づき丁度画面を田無の顔が半分覆いニッコッと笑った。私はブルブル震えて何も出来ない。
そのあとまた画面に人影が映る。キョロキョロと挙動不審だ。よく見ると私自身だった。カメラに近づきそこで録画は終わっていた。
どうしよう。どうしよう。そうだ。警察だ。どうしよう。ケータイが見つからない。身体の震えが止まらない。ポケットの中をを震えながらケータイを探す。
首元にに暖かい吐息を感じた。それは気のせいでは無かった。
私は急いでドンキホーテで小型カメラを買った。五千円で買えた。何回も使う訳では無いので画質とかは何でもいい。今の私には誰もいないという現実だけで十分だ。
私は翌朝小型カメラを部屋のテーブルの上に仕掛けて仕事に向かった。
写っていて欲しい気持ちと写っていて欲しくない気持ちに板挟みに押しつぶされそうだ。
とにかく私は仕事に向かう。
「おはようございます」
「おはようございます」
今日も下田さんははやい。仕事は大変だが大人が沢山いることで家にいるより安心する。今日も外回りだ。朝礼が始まり少しづつ頭も冴えていく。今日も頑張ろう。
仕事が終わり帰路につく。20時。今日も疲れた。クタクタで帰るがカメラの存在を思い出して緊張感が高まり始める。自分のアパートの階段をあがる。1歩ずつ緊張感が高まる。部屋の前で大きく深呼吸をする。
鍵は閉まっていた。当たり前のことだが安堵する。その安堵は束の間部屋に入ると異臭がする。
その匂いは臭い訳では無いが私の匂いじゃない匂いがする。気のせいだろうか不安がよぎる。目の前には誰もいない。誰か居るはずはないのだ。カメラに目を落とす。仕掛けた時と同じ位置にある。同じ角度同じ色。撮影中のランプも赤く点滅している丁度容量が切れたみたいだ。
確認をしてみよう。
固唾を飲む。怖い。怖い。怖い。だがハッキリさせないといけない。私の気のせいなのだ。
ゆっくり録画を再生し始める。何も無い私の部屋だ。人影が映る。どうやら朝の私だ。カメラをセットしている。一安心する。何もない時間が始まる。
早送りのボタンを押す。ずっと何も変哲もない私の部屋がずっと写っていてる。
いや、私の気のせいは気のせいでは無かった。人がカメラの前を通り外に出ていった。私の体はガタガタと震え始めた。怖くて見るのを辞めたいが動くことも出来ない。どうしよう。早送りは続く。停めなくては指が震えてカメラを停止できない。
私の息は荒くもう少しで気を失いそうだ。早送りは続く。画面を見てるとまた人影だ。それはだんだんカメラに近ずいてくる。男だ。
「あれ、え、なんで?」
そこに映るのは同じ職場の田無さんだった。私は半狂乱になり画面に映る現実を理解出来なかったのだ。少しづつ田無はカメラに近づき丁度画面を田無の顔が半分覆いニッコッと笑った。私はブルブル震えて何も出来ない。
そのあとまた画面に人影が映る。キョロキョロと挙動不審だ。よく見ると私自身だった。カメラに近づきそこで録画は終わっていた。
どうしよう。どうしよう。そうだ。警察だ。どうしよう。ケータイが見つからない。身体の震えが止まらない。ポケットの中をを震えながらケータイを探す。
首元にに暖かい吐息を感じた。それは気のせいでは無かった。