利害関係から恋愛へ発展する方法
「顔上げねぇと、キスするぞ?」

は・・!?

その言葉に思わず顔を上げると

「ひっかかったな。あははは」

満面の笑みを浮かべている男の顔が目の前にあるわけでして。

あまりの至近距離に驚き、とっさに
座ったまま思い切り後ろに滑るように後ずさりをした。

「おいおい、んな嫌がんなよ」

そんな私の行動を呆れたように見ている。

「あ・・え・・ちが・・・
びっくりしちゃって・・その・・」

もう言葉が言葉になっていない。

挙動不審もいいとこだ。

「ふーん?」

「あ!それで佑二は何歳なの?って!」

話をそらさなくちゃ。
この状況から
まずは抜け出さなくては・・

「この前25になった」

「え?25歳?もっと若いかと・・・」

「十分若いと思うんだけど?
ハタチから見たら25はオッサンって言いたいのか?」

と言いながら
私に詰め寄るように
顔を近づけてくる。

あーもう、また至近距離・・・

「か・・・・」

「か・・?」

「か、買い物行ってきます!」

そう言って、残りのケーキを
口いっぱいに入れ立ち上がる私の姿を見て

「顔真っ赤でサルみてぇ・・ははははは」

大爆笑している。
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