利害関係から恋愛へ発展する方法
横は完璧だ。
次は・・・後ろだけど
横を切る要領でいけば多分大丈夫だ。

うん、完璧。

次は・・・前かぁ。

前髪って一番重要なんだよね。

佑二の前に回り、しゃがみこみ前髪を手に取った。

・・・え?やばい。

あまりの至近距離で目が合ってしまい前髪を放してしまった。

「何だよ?」

不思議そうに私を見るのは当然なわけで。

「あ、いや。あの前髪どのくらいまで切ればいい?」

「2cmくらい切って」

「あ、うん。目に入るといけないから目閉じてて?」

そうだ、目さえ閉じてもらえれば
だいぶ意識しないかもしれない。

再び前髪を手に取り
ハサミを動かし始めるけれど

透き通った白い肌
きれいな二重に長いまつげ
通った鼻筋・・・何だこいつは。

普通にテレビとか出れるレベルなんだけど。

なんて見惚れてると

「まだ?」

片目を開け
私を見つめてるわけで。

何だ、何だそのウインクは!?

こ、こ、こ、こっちの気持ちも考えろ~!

とか言えるはずもなく
浅く深呼吸しつつ

「あと、少しだから
目閉じてて」

平静を装うけれど
心臓の音聞こえるんじゃないかと思うほど大きいし
手首すらも
皮膚が脈に合わせて動いてるし。

鼻息すら荒くなりそうで・・・

私・・・変態じゃん。
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