利害関係から恋愛へ発展する方法
机の上に置かれた
空のビール缶を片付けながら

ため息しかこぼれない。

明日、どういう顔して会えばいいんだろう。

その事ばかり考えていたら
当然、眠れるはずもなく

完全なる寝不足のまま会社へと向かった。

会社に着くなり
美咲さんが足早に私の方に近づいてくると

「真山ちゃん、お願いがあるんだけどっ!」

そう言いながら拝むように上目遣いで見ている。

美咲さんがお願いなんて珍しい・・・なんて思いつつも

「あ、はい。できる事なら・・・」

「今日の残業・・変わってくれない!?
あやが朝から体調悪くて
母親に預かってもらってるんだけど
やっぱり心配で」

「全然大丈夫ですよ」

「ほんと?良かったぁ。
ごめんね~」

「いえいえ、全然です」

やっぱり、美咲さんほんと良いお母さんだなぁ・・・

なんて思いつつ仕事をしながら

あ・・・夜ごはん・・遅くなるって言わなくちゃ。

と、携帯を取り出すけれど

あれ・・・?

私、佑二の連絡先知らない・・

今更ながら重大な事に気づいてしまったわけで。

連絡手段が断たれた瞬間でもあった。
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