御曹司に身分違いの恋をしました。
足長おじさん


小さい頃の私の夢は
白馬に乗った王子様が迎えに来てくれて
お城で暮らすこと。


中学時代からは
御曹司と出会って玉の輿になること


そう
私は貧乏家庭で育ったから
そんな夢ばかりを求めていた。


人生【お金】
ーーーお金が全てーーー
お金さえあれば。。。


山川愛華(やまかわあいか)
貯金ゼロ・借金あり
今を一生懸命生きてる22歳。


半年前から日本屈指のベリーヶ丘にある
ツインタワー内の
高級クラブ【Orange】で働いている。


ベリーで働ける人は
審査が厳しいと言われているのに
令嬢でもなければお金持ちでもない
借金有りの私が何故
そんなところで働けるのか?


それは。。。救世主の足長おじさんが
現れたからだ。


昼間は移動販売車の
お弁当屋さんでバイト
夜は居酒屋でバイト
掛け持ちで頑張っていた。


移動販売車は
ベリーヶ丘近くの公園前で
10時半から14時まで許可を貰って
販売をしている。


お弁当作りは店長夫婦の家で
朝8時から始まるため実質7時半から
14時半まで時給900円
1日働いても6300円。


しかし近くに新しいお弁当屋さんが
店舗を構え進出して経営が徐々に悪化
バイトの日数も週5から週3に減ってきた。


子供が生まれて間もなかった奥さんが
復帰したから減った理由はそれも一つある
販売は夫婦2人で間に合うから。


そろそろ解雇になるだろうな
とビグビクしながらバイトをしていたのだ。


その生活がコロッと変わったのは
半年前昼のバイトを終えて
帰ろうと店長達と別れた後のこと。


公園内のベンチに
横たわる老人を遠目に見つけた。


見るからにお金持ちそうなおじいさん
「昼間から良い身分だこと!」
初めはそんな気持ちだった。



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