御曹司に身分違いの恋をしました。


「いえ 言葉足らずで失礼しました
そう言う意味ではなくてですね」


私の急変した激怒に
シドロモドロになる運転手さん。


「そう言う意味ってどう言う意味よ!
バーの店員だからって
遊んでるように言わないでくれます?
送ってもらわなくて結構です
降りますから止めてください」


「え?バーの店員さんなんですか?
お綺麗な方だと思ってましたが
そう言う雰囲気ないので」


「別にいいですよ
そんな取ってつけて言わなくても」


「お気を悪くさせて
申し訳ありません」


冷静になれ!私!
このくらいで怒っててどうするの!


「いえ こちらこそ
初めて会ったお方に食いついていっちゃって」


きっと明日には山口さんに言われるんだろうな
『すぐにキレる女ですね』って。


「それで?家はどこなんです?」


「坂町通り付近に行ってください
近くになったらまた説明します」


「かしこまりました」


なんか話さなければ。。。
この静けさはいやだ。


「運転手さんは山口さんの専属なんですか?」


「そうですよ
昔からそうです」


「こうして女の人を送るのも
よくある事ですか?」


「え?」


「あっ!失礼な事をお聞きしました
山口さんには内緒にして下さいね」


「昔はよくありましたよ
尻拭いも数々と・・・」


「尻拭い?」


「まぁ色々とですね
鉢合わせとか
ヤンチャでしたから」


「そうなんですね」


岡本さんが言ってたな
ーーー行き当たりばったり声をかけるーーー


「あっ!ご安心してください
それは昔のことなので
弁護士になってからは
弁えてるようですよ
弁護士が訴えられるなんて最悪ですからね」


「と言うことは最近は?」


「無いですね
女の人のためにわたしを呼ぶなんて
久しぶりですよ」


私は特別?
好意を持ってくれてるのかな?


「あっ!私の知らないところで
女の人と関わってたりしたら
わかりませんよ?」


「あ。。。そうですね」


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