御曹司に身分違いの恋をしました。
私たちは誰がきた?
と思って振り返ってみた。
「あれ?親父?」
「うん?陽仁?」
「おいおい!援助交際かよぉ〜
やめてくれよな恥ずかしい」
「違う違う!
あっ!陽仁にも紹介しとこう
愛華さんと言ってお前にとっては
いとこに当たるんだよ」
「いこと?そう?
へぇーこんな綺麗ないとこが居たんだぁー」
「これ息子の陽仁」
息子さんか。。。大学生という
学生の身分でこんな高級寿司店
さすが御曹司
将来は医院長だものね。
「で?そちらの方は?」
「彼女
これ親父ね」
彼女は少し慌てて「あっ!挨拶が遅れました
私は菊川瑞穂と申します」
と緊張の顔で名乗った。
「あ〜よろしくね
バカ息子だけど頼むよ
お前なぁまたカード使うつもりだろ?」
「やめてくれよ!彼女の前で!
今日は彼女の誕生日だから
オレがちゃんと払いますっ!」
「ふーん」と言いながら笑うのは
父親の優しい顔。
羨ましい!それしかない!
川相さんは息子さんの料金も
こっそり払って先に私たちはお店を出た。
「素敵な息子さんですね
なんだか羨ましくなりました
誕生日だからって祝ってもらえて
いいなぁって」
「君の誕生日は夏だったかな?」
「え?誕生日のお話しましたっけ?」
「聞いてなかったかな?
夏っぽい感じがしたから」
「夏っぽいですか?
へへへどこがどう夏っぽいのか解りませんけど
8月15日なんです」
「そうか覚えてるから
お祝いしようね」
「どこまで優しいんですか?
胸の内を聞いて欲しくて
頼ったあたしもあたしですけど
そろそろ遠慮しないと
ただおじいさんを病院に運んだだけだから」
「父親だと思ってどんどん頼ってきなさい」
「恐れ多いです」
「あっ!雅人くん
雅人くんとどうなんだ?
あれから連絡してる?」
「あれっきりですよ」
あれっきりです。。。
連絡先知らないから
あれから1週間 偶然にでも
エレベーターで会うこともない。