御曹司に身分違いの恋をしました。


「もし好きなら押しなさい」


「無理です!無理です!」


「困った子だねぇ〜
好きなら好きと伝えなきゃ
先に進めないよ?」


「あのぉ〜勝手に好きと言う設定に
しないでください」


好きだけど【好き】を押し殺しているのに。


「これ雅人くんの連絡先だ
一応渡しておく
掛ける気になったら掛けてみなさい」


一枚の名刺を渡されたのだった。


「君には幸せになってもらいたいから」
と付け加えられた。


山口さんは両親が宝石店
母の実家はアパレル業界
自身の山口さんは弁護士
住まいはヒルズ。。。


どう考えても地球がひっくり返っても
私とは合わない
幸せなんてありえない。


「ふふふ 幸せですか?
いつかそんな報告ができたらいいですね」


もう川相さんと会うのもやめなきゃ
自分が惨めになるばかり。


山口さんとも一夜限りの関係
それでもういいじゃない。


借金もないことだし
普通に!普通の恋愛しよう
街コンに行って一般の男性を見つけよう。


「川相さんありがとうございました
いろんないい夢見せて頂いて
幸せでした」


「うん?何?
今生の別れみたいな事を言うね」


「今日も、勝手に電話して
呼び寄せて申し訳ありません
お世話になりすぎなので
この辺りでもうキリをつけないと
あたしも甘えちゃって
川相さんにご迷惑ばかりおかけするので」


「迷惑じゃないよ
愛華ちゃんのことは娘だと思ってるから」


「ありがとうございます
あたしもそんなお父さんが欲しかったです」


「ごめんね」


川相さんは私を哀れだと思ったのか
ごめんねと謝った。


何がごめんなのかよくわからなかった。


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