御曹司に身分違いの恋をしました。
「あのっ!もし
もしもあたしが片親だったとしたら
雅人さんの相手としてどう思われますか?」
「片親だからってどうなの?
別に良いじゃない?」
お母様の言葉に少し安心したのも束の間
「うん?あなたは両親そろってないの?」
「はい・・・」
「あらそうなの
どちらがいらっしゃるの?」
「母です」
「お父様とは死別なの?」
「いえ 色々あって離婚です」
「あーあ そうなの」
少し顔が曇った。
「どうして離婚しちゃったのかしら?」
「色々あって・・・」
言いにくそうにする私に
『はっ!』とした顔をして
「ごめんなさいね!
嫌なことを聞こうとしちゃって」
「大丈夫です」
「男女の揉め事?どっちかの不倫とか
多額の借金があっての離婚とか?
そんなのじゃなかったら
全然大丈夫よ 他所様の借金までは
肩代わりできないからね!
性格の不一致とかならね
円満離婚なら全然大丈夫!」
終わった。。。全部当てはまる。
「そうですね」
その後は何を話したか覚えてないくらいだ。
「さて!帰りましょ
今度はうちに遊びにいらっしゃい
雅人にも連れてきなさいって
言っておくから」
「はいありがとうございます」
もしこの先山口さんの恋愛が
上手くいったとしてもその先の結婚はないな。
だから絶対告白しない
絶対【好き】【愛してる】とは
口にしない。
夜に山口さんから連絡がきた。
「お袋に会ったって?」
情報早っ!
ある意味
会話のある親子なんだ。
「偶然会っちゃって
お茶でも飲まない?ってことになって」
「嫌なこと言われなかったか?」
「全然!それよりあたしのこと
何か言ってなかった?」
「うん別に」
「ならよかった」
「あっ!いい子だって言ってたよ
笑顔も良くて気の優しい感じでって
べた褒め」
「そんなに?なんか嬉しいな」
自分が認められた気がして
嬉しかった。
「あっ!もうお仕事終わりですか?」
「うん」
「会いにいっていいですか?」
「どーぞ 事務所に来る?
それともどこかで待ち合わせる?」
「事務所行きます」
デリバリーを頼んで
待ってくれるということだった。