御曹司に身分違いの恋をしました。
絶対隠す!


今日は定期検診
私は総合病院ではなく
個人病院を選んだ。


受付を済ませて待合室で待っていると
若い夫婦が隣に座っていた。


かなりお腹が大きくて
旦那さんは奥さんをいたわり
大切にしているのがよくわかる。


幸せそうで羨ましい
私は1人 検診に寄り添ってくれる人もいない。


決めたんだから!
強くならなきゃ。


「あっ!落としちゃった」
私側にハンカチを落とした奥さん。


しゃがむのも大変そうなので
あたしが拾って渡してあげた。


「ありがとうございます」


「いつ産まれるんですか?」


「予定日がクリスマスイブなの」


「もうすぐですね
楽しみですね」


「だけど将来子供に言われちゃいそうで
クリスマスと誕生日が一緒だったら
損だ!ってね」


「ああ。。。」


それもそうですねと笑う。


「あなたはいつが予定日?」


「7月です まだ2ヶ月目に入るところです」


「ホヤホヤですねぇ!
今が大事な時なので
大切にしてくださいね」


「ありがとうございます」


隣の夫婦は診察に呼ばれ中へと
入って行った。


次に私の順番
「順調に育ってますよ」
と先生に言われ安心して診察を終えた。


少し貧血気味なので薬を飲んだ方がいいと
言われて薬の準備ができるまで少し待った。


「愛華さん?」


私は知り合いに会いたくないから
あえて個人病院を選んだのに
私を呼ぶ声がした
しかも聞きたくない人の声だ。


山口さんのお母さん。


「まさか妊娠してるの?」


山口さんと終わったことを聞かされてるのか
それはわからない。


「いえ!少し調子が悪くて
婦人科検診に来たんです」


ここは産科婦人科だから助かった。


「お母様は?」


「私もね 定期検診なのよ
年に一度のね」


年に一度の検診と出会うとは
相当の運の悪さ。


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