御曹司に身分違いの恋をしました。


ーーーーお母様と山口ーーーーー


「雅人!今日ね
愛華さんに会ったのよ」


「あっ!言うの忘れてたけど
愛華とは何もないから」


「何ともないって?」


「彼女じゃない」


「え?そうなの?なんで?」


「なんで?って付き合ってないから」


「え?そんなことってある?」


「ある?って聞かれても現実だから」


「どこで会ったと思う?」


「もういいから!知りたくもないし」


「産婦人科で会ったのよ」


「え?」


「調子が悪いから見てもらったと言ってたけど
確かにお薬はもらっていたけど
見てしまったのよ
母子手帳を受け取ってるのを」


「は?」


その佐藤産科婦人科は
母の知り合いの病院
だから後でこっそり
山川愛華が妊娠しているかどうかだけの
確認は取った。


「妊娠してたのよ
あなたとの子供じゃないの?」


「可能性はゼロでもないと思うけど
誰の子がわかんないんじゃない?
尻軽らしいから」


「えーーーそうなの?
そんな子だったの?」


「そう」


「でももしあなたの子よ!って
言ってこられたらどうする?」


「来たら?追い返す!
誰の子がわからないのに
こっちに責任持たせようと考えてんだろ?
それはこっちが一応弁護士だし
親父やお袋は金があるのが
わかってるから来るかもしれないな」


「やめてよー
そんなの嫌だわよ
どの男の子供かわからない子を
孫だと?認知しろだと?
もー!それを早くいいなさいよ
あそこで優しい言葉なんか
かけやしないのに」


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