御曹司に身分違いの恋をしました。



山口さんのお母様と会って
1週間ほど経過した頃。


コンビニのアルバイトから
帰って晩ご飯を食べようとした時
来客が来た知らせのベルがなった。


「誰かしら」と玄関に出たのは私だった。


そこに立っていたのは
川相さん。


「え?川相さん?え?
どうしてここが?」


「話があってきた」


「ちょっと待ってください!
何故 家がわかったんですか?
あたし何かしましたっけ?」


「上がらせてくれないか?」


「いえ!
川相さんが上るような家ではないので
それに もう話はないのでお引き取りください」


それでも川相さんは
ズケズケと上がってきた。


「?誰かきたの?」
母も玄関へ。


「あっ」

  

「母さん!あのね!
この人に大変お世話になったの
足長おじさんってこの川相さんなの」


早口で川相さんを紹介した。


母は「上がって」と
私がお世話になったのに
「ありがとう」のお礼を言うのでもなく
上るように指示をした。


「母さん!ちょっと」
突然川相さんが尋ねてきたから
もしかしてこの人がお腹の子の父親と
勘違いをしているのかもしれない。


「何から話せばいいのかな」


ポツリと川相さんが言う。


「あのっ!母さん
変な勘違いしないでね
さっきも言ったようにこの人は
お腹の子の父親じゃないの!」


私のその言葉に2人は笑った。


「わかってるわよ
そんなことありえないことだから」


「え?」


「だってこの人あなたのお父さんなのよ」


今なんて?
母はなんて言った?
お父さんと聞こえたんだけど?


「お・お父さん?」


「愛華ごめん」
川相さんはごめんと頭を下げたまま。


母さんを捨てたのはこの川相さん?


「待って!突然すぎて頭が働かない
どうして今更ここへ?」



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