御曹司に身分違いの恋をしました。
性格が自分によく似てるって
ううんそれ以上かもと。
自分にもそんなに強い心があったら
きっとお母さんを手放してないだろうなって。
「雅人くんのことを今でも好きかね?」
「当たり前じゃないですか!
好きでもない人の子を妊娠してたら
産む決意なんてしません!」
「それなら雅人くんに言おう」
「さっき約束しましたよね?
絶対言わないって」
「雅人くんはきっと愛華のことを
本気で好きだったと思うよ?」
「好きと言われたことなんて
これっぽっちもありませんから」
「反対に君は伝えてたのか?
自分の気持ち」
「いえ!言ってません
これからも伝えるつもりはありません」
すると川相さんはさっと立ち上がり
「行こう!」と私の手を引っ張った。
「やめてください」
「君は幸せになる権利があるんだ!
お母さんと同じにさせたくないんだ
お互い好き同士なのに離れる必要はない
雅人くんは自分と違う
違うのがわかるから行こうと言ってるんだ」
山口さんは家庭より相手を選ぶと
何度も何度も言っていた
だからこそあの幸せな家庭を
崩壊させるわけにはいかなかった。
「行きなさい!
あはたは幸せになりなさい」
母も後押しをする。
無理やり家から出され
車に乗らされた。
もちろん母も同席。
「あ。。。雅人くん?今どこだね?
家かね?今から行くから」
『どうしたのですか?
何か問題でも?』
「大変なことが起きたんだ
雅人くんの両親もいらっしゃるかな?」
『父はまだですけど母は居ますよ?
何事です?』
「行ってから話す」
電話の内容はBluetooth経由で車内に
聞こえた。
久しぶりに聞く山口さんの声。
ポロポロと涙が溢れる。
そんな私を母は子供をあやすかのように
ヨシヨシと頭を撫でた。