御曹司に身分違いの恋をしました。


看護師さんが去った後
「山口さんもお帰りください
ずっと付き添って頂いたことは感謝します
ですがもう大丈夫ですので」


「他人行儀なこと言うなよ!
話そう!なぁ話をしよう」


私の肩を両手で撫でるようにした。


「やめて!触らないで!
いやー」耳を塞いでバタバタと拒否。


あれだけのことを言われたのに
いまさら。。。。。


「帰って!あたしの前から消えて!」


「消えろ?」
少し口調が荒くなった山口さん。


認知しろと言いに行って
この態度ははないよね
わかってるよわかってるけど
あそこまで拒否されるとは思ってなかったから。


酷いことも言われた
私がそのように仕向けたけれど
あんなに剣幕になるとは思ってなかったから。


考えが甘かった。。。


「本心か?」


「本心です
本当に誰の子かわかんないんです
それなのにあの人たちが勝手に。。。
ごめんなさい
嫌な思いさせてごめんなさい」


誰の子かわからないーーー
それを突き通すことにした
嫌な女を突き通す。


山口さんは何も言わず
病室から出て行った。


夜になり川相さんが病室を訪ねてきた。


「どう?体調は?」


「ありがとうございます
すっかり良くなりました」


「あれ?雅人くんは?」


「帰ってもらいました」


「ああずっと付き添ってたからね
ゆっくり家で寝るといい」


家で休んでもらうことにしたと
言う意味で川相さんは取ったみたい。


日本語って難しい。


「良かったな」


良かったな?


あの後どんな話が交わされたのだろう。





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