御曹司に身分違いの恋をしました。


ーーー倒れた後ーーー


「はっはっ息が・・・出来ない
苦しい・・・」


「愛華!しっかりしろ」
愛華の身体を揺する山口さん。


「雅人くんも落ち着いて!
愛華 大きな息をするんだ
そんなはっはっはっと言うのじゃなくて
はぁーはぁーと!」


「どうしたらいいの
助けて!愛華を助けて」


「大丈夫だ
過呼吸を起こしてるだけだから
でも興奮して血圧も高くなってるだろうし
念のために病院で
いろいろ検査してみよう
お腹に子供がいることだし」


すぐに川相さんは病院へ連絡して
検査ができる体制を整えた。


ノースエリアから病院までは
専用車を呼び川相さんと愛華の母が乗り
心配した山口さんとお母様も
後で駆けつけた。


診断はただの疲労
鎮痛剤で眠らせてるので
大丈夫とのこと。


「山口さんもお母様も貴重な時間だったのに
娘のためにすみませんでした」


「あのぉーこんな時に失礼ですけど
さっき川相先生が愛華さんのことを
娘とか言ってた話は?」


お母様が尋ねた。


「あまりいい話じゃないんだが」
と川相さんは昔のことから全てを
2人に話した。


「そうだったんですね」


「愛華は親が【私の両親に反対された】
それが頭にあるから
自分も絶対そうなる!と思い込んでいて
お母様が片親でも関係ないと
言ってくれたときは嬉しかったけど
その後に言われた事が自分に当てはまるから
無理だと感じたようなんだ
借金があったりとか」


「あっ!愛華さんは
それを気にしてたのかしら?」


「それだけじゃないみたいですけどね
しかしお互いが思い合ってるのに
ちょっとしたボタンのかけ違いで
別れてしまうのはだめだと思うんだ
雅人くんに『君の気持ちは?』と聞いた時
『自分は好きだったですけど』って
言ってたよね?
それならきっとこの話をしたら
わかってくれると思った
例え愛華が『誰かわからない子』と
言い張ってもそんな女じゃないことぐらい
わかってくれると思っていた
なのに違ったようで残念だったよ」


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