御曹司に身分違いの恋をしました。


「本当に悪かった
そんな言い方ばかりさせてごめん」


「本当のことを言ったまでですよ」


「結婚しよう」


結婚・・・?


「ほら!何か責任感じてるでしょ?
何パーセントの確率で
もしかしたら自分の子かもしれないって
思ってるからでしょ?
違ったらどうするの?」


「オレの子だ!」


「・・・違う・・・」


「愛華 素直になりなさい
あなたは山口さん以外の男の人と
関係なんか持ってないでしょ
そんなフシダラな女に育てた覚えないからね!」


「・・・・・」


「愛華のお母さんにも
川相先生にも許しをもらってる
後は愛華が『うん』と言ってくれたら
いいだけなんだけど」


「みんな勝手なことばかり!
いい加減にしてよ!
なんなのよー」


「強情張ってどうしたいわけ?
頑固にもほどがあるわ!
誰に似たのかしら全く!!!」


「悪かったなー」と入ってきたのが
川相さんとあの時助けたおじいさん。


途端にお母さんの顔色が変わった。


「ご無沙汰しております」
と深々と頭を下げる。


「その節は悪かったな」


「あ。。。いえ。。。」
おじいさんに謝られ答えようのない母。


「まさか外孫に命を救ってもらうとわなぁ
何の因果なのか」


「申し訳ありません
勝手に・・・子供を産んでしまって」


「22年前にあんたらを引き裂いたのは
このワシだ!謝るのはこっちだ!
すまなかった」


「いえ。。。もう過ぎた過去ですので」


本当はもっともっとこの人に
責めて責めていきたいはずなのに
『もう過ぎた過去』と話す母。


この人が反対さえしなかったら
無理矢理 お父さんにお見合い話を
持ってこなかったら
今の私はどうしてるんだろ?
【苦労】と【忍耐】そんなことを
知らずにぬくぬくと育っていたのか?


でも。。。
それだったらきっと
山口さんには出会えていない。


「あの。。。」
と話の途中に申し訳ないですがと
山口さんが口を挟んだ。


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