御曹司に身分違いの恋をしました。


「本当はもっといい場所で
2人きりでプロポーズをしたかったんだけど
この機を逃したら逃げられてしまうと思って」


あ・・・そうだ
私はさっき・・・
結婚しようと言われたんだ。


「愛華結婚しよう
2人でその子供を育てて行こう」


「もう意地を張るのはやめなさい
素直な自分の気持ちをいいなさい」


「そうだよ
本当の気持ちを聞かせてくれ」


「いいの?本当にいいの?
雅人さんにはもっともっと
相応しい人がいるかもしれないのに
あたしが妊娠したばかりに
こんな何も取り柄のないあたしなんかと
一緒にならないといけないなんて
30までは結婚しない!なんて言ってたのに
予定を狂わせてごめんなさい」


「言ったろ?
それは予定であってわからないって」


「でも・・・
妊娠しなかったら結婚とか
考えなかったでしょ」


「ばか!避妊もせずに
妊娠させたのはこのオレだ!
絶対自分は大丈夫!そう思ってたけど
あまりにも愛華が可愛すぎて・・・
我慢できなくて・・・
だから複数相手がいると言われても
あの時の子かもしれないって
思ってたんだ」


あの時と言うのは母に色々なことを聞かされ
山口さんの事務所を訪れた日
遅くまで仕事をしていて
疲れてた山口さんに「癒してよ」と
言われたのに反対に癒された私。


あの日だけ避妊用具をつけなかった。


「あたし・・・雅人さんが好き
ずっとずっと言えなかった
言ってはいけないと思ってた
好きだとか愛してるとか
それを言ってしまったら終わりだと
そう思ってたから・・・
このままの関係を続けられるなら
現状維持でいいと思ってたから」


「オレはずっと好きだったよ?
エレベーターですれ違うようになってから
誰なんだろ?どこで働いてるんだろ?って
だからあの日BAR出会えたのは
奇跡だと思ってた
川相さんの勧めもあって
あの日デートができたのも
本当に奇跡だと思った
このチャンスを逃がさない!
絶対自分の物にしてやろうって・・・」


その日のうちに私達は身体を重ねた
私も望んだことだった。


また私は山口さんに抱きしめられた。


「絶対離さないから覚悟してて」


「あたしも離れないから」


「愛してる」とそっとキス。


その瞬間
パチパチと拍手が聞こえてきた。


< 69 / 80 >

この作品をシェア

pagetop