御曹司に身分違いの恋をしました。
私は山口さんの運転で事務所へ帰った
他の人たちは親睦を深めるために
ランチに出かけたようだ。
私たちも誘われたけど
「早く2人きりになりたいから」
と山口さんが断ったのだ。
「大丈夫か?」
ソファーに座る私の体調を心配してくれる。
「うん」
「ここに赤ちゃんがいるんだよな」
と横に腰掛け私のお腹を触ってきた。
「パパですよー
聞こえますかぁ?」と声かける山口さん。
「もぉー山口さん!
すでに親バカ?」
「え?山口さん?
赤ちゃん聞いてるよ
山口さんって名字はないよね?
愛華ってあの時しか
名前呼んでくれないしよね?なんで?」
あの時って。。。
「それには何も答えられません」
「あの時だけオレへの愛を感じるんだけど
それ以外は他人行儀っていうかねぇ」
その時は夢中で思わず
「好き」「愛してる」とか言いそうになるのを
グッと抑えてきた。
「もう夫婦になるんだからさ
あの時だけじゃなくて
名前を呼んで欲しい」
「もぉーあの時あの時って
強調して言わないでよ!
赤ちゃんも聞いてて笑ってるよ もぉー」
「産まれてきたらパパとママが仲良しだから
君が産まれてきたんだよって話すよ」
「もうやめてぇ」と笑う
そんな一コマがとても幸せに感じる。
もう自分の気持ちを抑えなくていいんだ
そう思うと
「雅人さん好きです」
「雅人さん愛してます」
今まで言えなかった気持ちを伝えた。
「なに?なに?誘ってる?」
「ううん!
今まで伝えられなかったから
あたしの気持ちを知って欲しくて・・・
色々とごめんなさい
嫌なことばかり言って!
あたしは雅人さんだけだから
許してくれる?」
「うーん
どうしようかな?
たくさんいる中の1人って言われたのは
随分堪えたんだけどなぁ」
「ごめんなさい」
「うそうそ
許すよ許す!」
そう言う山口さんの手はお腹から
ジワリジワリと上がってくる。
「ち・ちょっとぉー」
「愛華に触れたい
ダメ?」
「ダメ・・・ダメじゃない
じゃないけど・・・
あまり激しいのはまだ安定期じゃないし
・・・その・・・」
「わかってる
優しくするから」
私達は奥のふかふかのベットに移動したのだった。