御曹司に身分違いの恋をしました。
「愛ちゃんは彼氏居るの?」
「居ないです」
「居てもいないって言うわなー」
と一緒に来ている友人の岡本さんが言う。
「本当にいないんですよぉ〜」
「本当に?じゃあ立候補していい?」
(え?マジで?)
「はいはい またお前
行き当たりばったり声かけるのやめろよな」
「おい!そこで俺を下げてどうする?
信じるだろその言葉を!
オレは本気なのに」
(本気?本気?嬉しい)
岡本さんと言い合ってるのを見ると楽しい
弁護士さんと言うお堅いお仕事なのに
そんな風に見えないのがまた良い!
「愛ちゃん!戻ってきて」
ママに呼ばれ
「失礼します」と戻ると
川相さんが一人で来ていた。
「あっ!いらっしゃいませ」
「今日も頑張ってるね」
「はい!」と席へ着く。
「おかげさまでもう払い終えそうです」
「おう!そうなのか!
良かったなぁ
じゃあそろそろ?辞めるのか?」
「辞めないとダメですか?」
「え?」
「父に返すまでという約束だったんですが
毎日楽しくてだから貯金も欲しくなって」
「うーん
いつまでもやる仕事じゃないからねぇ」
「ですよね。。。
でも!もう少しだけ
もう少しだけやらせてくれませんか?」
「うーん」
川相さんはうーんとばかり。
「なんなら他の仕事を紹介しようか?」
それは私は甘えすぎる
ただ川相さんのお父様を病院へ運んだだけなのに
そこまで良くしてもらう筋合いはない
命の恩人と言われるが
こっちこそ川相さんが私の
命の恩人だと思っている。
「いえ!そんな・・・
川相さんこそがあたしの命の恩人ですから
もう本当十分です」
「そんな大袈裟な」と苦笑い。
「でも!もう少しだけ頑張っていいですか?
すべて父に払ってしまって
貯金がないから少しだけ貯めたくて・・・」
「うーんそうだなぁ
色々買いたいものもあるだろうし
少しだけだよ
それまでに貯金しなさいよ」
「ありがとうございます」
川相さんと話してても
向こうが気になる。
良くしてもらっているのに
「今日来て欲しくなかったな」と
思ってしまう私は恩知らずだ。