きらきら星に魅せられて
「4人.....か。どの程度のレベル?」

「私は学校の伴奏程度でやめちゃった」

「私も」

時雨以外の2人のレベルは低いな.....。

「私は.....ほとんどやってないからピアノやってないくらいでカウントしといて」

今はこう言うしかない。

「うーん。私も少しかやった事ないんだよな」

奈穂もやってたんだ.....!?

それは初耳だった。

「実質、時雨の点数に2人の分が少し足されるくらいだな.....」

「私たち習ってなくても弾いていいんでしょ?簡単な曲でもなんでも弾くよ。点数追加されるなら」

うんうんと頷く習ったことない組の女子たち。

「かえるの歌とかきらきら星ってわがまま姫言ってたよね?」

「あ、じゃあかえるの歌連弾で輪唱とかよくない?」

「いいかも!」

なんだか楽しんでいるようにも見える。

なら私は.....。

「きらきら星弾くね」

「え!?少しはやってたならもっとなんかないの?」

「昔すぎて弾けないよ」

「そっか.....」

そんな落胆したような表情しないで。

きらきら星はきらきら星でも“きらきら星変奏曲”だから。

私も実は楽しみで仕方ないなんてことは言わないでおこう。

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